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9月15日
文化的な商店街づくり
郷土への自信を共有
多くの都市では、商店街が郊外の大型店との競争に敗れて衰退している。そこの子供達は将来性のない商店を継がずにサラリーマンになっている。ところで、熟年商店主は土地と建物も昔から所有しており、減価償却はとっくに済み、また銀行借入金はないから、固定負担はゼロに近い。
彼らは毎日わずかな数のお客来てくれれば、生活費を稼ぎ出せるので、当分の間、商店経営を続けることが出来る。周りの住民は古い知り合いばかりであるから、助け合いのコミュニティーがしっかりしている上、間もなく年金が貰えるので、将来の生活にあまり不安を感じない。
彼らは、企業意欲と体力を失っているので、夕方になるとさっさと店を閉めてしまう。店をやっていけなくなったならば、車庫にして貸せばいい。こうして商店街は年を追う毎に夕方早くに店を閉める商店と、車庫や駐車場が多くなる。サラリーマンの息子は、店を住宅にかえて住み始める。商店街は歯抜け状態になり、静かに衰退していく。
しかし、何軒かの商店には、やる気のある若い後継者がいる。彼らは個性的な店構えにし、個性的な品揃えやサービスによって、固定客を掴んで店を成長させている。幸い周りに駐車場が増えているので、大型店に対する競争力を付けやすい。こうして数十軒の商店が軒を連ねていた商店街は、数軒の商店と駐車場と住宅が混在する地域に変わるのである。
これに対して、目覚ましい成長を遂げている幾つか地方都市の商店街がある。埼玉県の川越、滋賀県の長浜、長野県の小布施等の商店街が有名だ。それらの商店街の特色は、道路が幅6メートルぐらいと狭いこと、商店がぎっしりと軒を連ねていること、自動車がほとんど通らないこと、商店が伝統的な建物であり、統一された美しさを保っていること、商店街の近くにお城、豪華な山車、名園や名堂を持つ寺院等、優れた文化財を持ち、文化の香りが感ぜられること、グルメを楽しめること、安物の土産店がないこと等である。
1口で言えば、商店街がヒューマンな空間を創りだしている。商店街は一種の観光地になっており。中高年の女性客で溢れている。こうした商店街を創るには、まず商店主が強力なリーダーのもとに結束することが必要だ。彼らはまず郷土史家を招いて勉強して、郷土の文化に対する強い自信を共有することから始める。それから長い年月をかけて、商店街を伝統的な家屋に統一するという合意に達するというケースが多い。
背景に「思想的な力」
どんな商店街でも、空店舗が発生し、空き店舗が増えると崩壊する。それを埋めることが重要な課題だ。長浜では、地元経済のリーダー達と市が出資してつくった一種のデベロッパー会社が空店舗を片っ端から買収したり、賃借したりして、外観を伝統的家屋に変え、特徴ある商品を販売する商店に変えた。
商店街作りにはリーダーとなるグループが必要だ。伝統ある都市には、宗教、お祭り、地域の思想家を中心としたグループがあるものだ。長浜市の街づくりをリードしたのは浄土真宗のお説教を聞く仲間、子供歌舞伎の伝統を守る仲間、真宗とトルストイの思想を結合させた地元の思想家を偲ぶ会のメンバー等からなるグループだった。
どうも文化的な商店街作りの背景には、一種の思想運動があるように思える。チェーンストアーや中国製品の廉価大量販売店と戦うエネルギーは、合意を作り出せるほど強力な思想運動からしか生まれない。思想的な力が弱い、経済原則を良く知っている人達から成り立っている商店街はすべて消滅しつつある。