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6月18日
ソーラン祭りと共同体意識
浜松のチームも参加
夏祭りの先頭を切って、先日札幌でYOSAKOIソーラン祭りが開かれた。このお祭りは始まってから、たった10年しか経っていないが、踊りの参加者数は400組・4万人強、観客数は200万人という巨大なイベントになった。札幌雪祭りをはるかに抜く規模である。東京・札幌便は満席であり、札幌市内や周辺のホテルは満杯だ。
この祭りは、おもしろい仕組みになっており、参加者は参加料10万円を支払うのである。曲、踊り、衣装、振付は自由に創造し、選択できる。制限は曲の中にソーラン節の一節が含まれていること、よさこい祭りと同じように鳴子をもって踊ること、踊りの長さが4分半以内であることである。
会場は市内公園やJR・地下鉄の駅周辺の広場等に設けられた特設ステージ33カ所に分かれている。すべての参加チームは決められたステージで踊り、かつ1日に一回観客が溢れている中央の大通りを踊り抜け、さらにそこの広場の大ステージで踊ることができる。
踊りはすばらしい。ロックやラップ等の速いテンポの曲にあわせて、100人前後の集団が激しく乱舞する。時には集団が魚の群のように一斉に一方の方向に移動し、波のように上下に揺れる。練習を繰り返した結果である。若者だけの激しい踊りもあれば、町内の年輩者や子供が混じった民謡調の踊りもある。
彼らはこの踊りのために長い時間と大きな経費をかけている。曲、衣装、踊り方、振付を選択し、練習の後、議論して手直し、再び練習する。衣装代、練習場の借り賃、札幌までの交通費、宿泊費、音響装置を積んだトラックの借り賃等はかなりの出費になる。道内だけではなく、日本各地から参加者がくる。浜松のチームも参加した。遠方のチームはかなりの負担である。彼らは何故参加するのだろうか。
大通りや中央広場の大ステージで、何万の聴衆の前で踊るのは楽しいパフォーマンスだ。400テームの中から評価委員によって選ばれた優秀20チームは最終日の夜に大ステージで踊れる。北海道の夜は6月でも寒い。その上今年はこの日が雨だった。しかし、10万人近い観衆が大ステージを大きく取り巻き、後ろの観客の邪魔にならないように、傘をささず、身動きもしないでじっと観ている。彼らは踊りに圧倒され、惹きつけられて帰れないのである。
一人の知恵が地域を変える
4分半の踊りを終えて、ステージから降りてくる女性の踊り手は多く泣いていた。苦労が報いられ、観客を魅了出来た嬉しさに咽んでいる。北海道は歴史が浅いので、民謡が少ない。固有の盆踊りもない。それだから、中心都市の札幌で、自由な踊りができ、道民は気軽に参加するのだろう。
札幌には確かに独特な踊り文化が育ちつつある。また、住民が協力して曲と踊りを創り、練習する過程で強い共同体意識が生まれている。企業や大学のチームは素晴らしい力量であるが、それらに負けない実力を持つ住民チームが少なくない。競争と刺激がお互いの力量を高め、一層共同体意識が強まっている。地域興しの成功はいずれも強力な共同体意識の存在によっている。
YOSAKOIソーラン祭りは10年前に北海道大学の1学生によって始められ、彼はその後ずっとこのお祭りを支えている。1人の知恵が広い地域を少しずつ変えている。