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11月25日
年配者雇用で経済活性化
子育てのコストを軽減
日本経済の成長力が低下した原因の一つは、少子化と老齢化だ。働ける人口が 減り、生きるために人の世話にならざるを得ない人が増えれば、当然経済力が弱く なる。経済が停滞すれば、金利水準が低下し、年金基金の金利収入や配当収入が 減少する。その結果年金の支給額が減り、年輩者の生活が苦しくなる。若い人達に は年配者を救うための税金や社会保障費の負担が重くなる。
この問題から逃れるためには、まず少子化を防ぐことが必要だ。経済的に考えると 少子化の原因は子供を育てるコストが高すぎることだ。そのコストには2つの要素が ある。一つの要素は育児そのもののコストであり、もう一つのコストは育児のために
勤めを辞めるというコストだ。勤めを辞めると、まず給与は貰えなくなる。 つぎに子育てが終わった後に、希望する職種に再就職できるかどうか判らない。 できたとしても、ずっと勤続した場合に較べて給与がかなり減ったり、単純な仕事を やらされるかもしれない。勤めを辞めるという損失は大きい。
勿論出産しても会社を辞めなければいいが、会社への通勤時間が長いとか、 近くに夜遅くまで預かってくれる託児所がない等といった問題がある。子供を 2人育てながら会社勤めを続けるのは難しい。子供を2人を育てて、かつキャリアー ウーマンとしてばりばり活躍している人がいるが、多くの場合、彼女たちの母親が 孫の世話をしている。母親は苦労して娘を立派に育て終わると間もなく、孫の世話という仕事が待っていた。母親は自由な時間なしの気の毒な一生になる
極端にいえば、現在の世代間の関係は、年配者の生活は若い人の税負担などで 支えられ、若い夫婦の子供達は年配の両親の援助によって育てられている。また、 やり甲斐のある仕事に就いる人は子供を産まない。何処かが変だ。話を逆にして、
年配者が働き、若い人が子供を育てやすい環境を整えたらどうか。多くの人は70歳近くなっても充分働ける。政治家は80歳を超えても元気であり、若い者に 負けていない。中曽根さんや宮沢さんはその典型だ。
毎日、8時間働くのは無理としても、一日おきとか、一日4時間なら元気で働ける だろう。今までと同じ仕事を続ければ、長い経験があるから、仕事のスピードは遅い だろうが、仕事の内容は若い人に劣らないだろう。賃金を3分の1ぐらいにすれば、
雇う方も採算にのる。年輩者が働けば、年金の支給年令を延ばしたり、支給額を 減らすことができる。多くの年輩者は年金生活よりも、働く生活を好むだろう。
健全な福祉国家を目指す
年配者が働けば、それだけ年金基金や財政に余裕が生まれてくる。その余裕金を 保育園等の充実や育児手当の増額にに使えば、女性は働きながら子供を育てられる。 2人の子供を出産する女性が増えるに違いない。 つまり、年配者が働けば、若者の税や社会費用負担が軽くなり、若い夫婦は保育所 を利用しながら、子供を自ら育てることができる。おじいさん子やおばあさん子はひ弱に なりがちだが、若い両親が育てた子は強い。 考えてみれば、平均寿命が延び、働か ない年配者の数が多くなれば、日本経済の経済力は弱くなり、経済成長は止まり、若い 人達が子供を育てにくい環境になる。
年配者が働きにくいのは、知力、体力ともに衰える上に、新しい技能や知識の吸収 する機会がないため、社会の進歩から取り残されている。これを防ぐためには、研修が 必要だ。コンピューターが広く利用されるようになった。それとともに、端末の操作は 次第に簡単になった。年配者でも自分の仕事に必要な操作だけ覚えるのはそんなに 難しいことではない。少し研修すればすぐ慣れる。年配者が蓄積している優れた技能を 引き出し、IT社会とうまく結合させれば、年配者の利用価値は高まる。
日本は老人が働き、4人家族が多く、かつ着実に成長する福祉国家になりたいものだ。