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1月8日
自己責任の決意必要
下降過程にに入る米経済
市場経済システムでは、経済のエネルギーが機能する。最近10年間で、アメリカでは新しいIT技術が次々に開発された。証券市場では、つい最近まで、資金がIT関連の株式に殺到し、株式市場は過熱状態になった。企業家はIT企業を起こして株式市場に上場すれば、巨額なキャピタルゲインを獲得できた。それを狙ってベンチャー・ビズネスが続出した。世界の優れた頭脳がアメリカに集まり、IT産業は目を見張る発展を遂げた。
IT企業は株価の急上昇に比例して、収益を拡大し続けることはできない。株価が永遠に上昇することは不可能だ。最近、アメリカのIT産業の株価は急速に下降し、IT産業リードされた株式ブームは収束しつつある。アメリカでは、個人の金融資産の65%が株式である。株価が上昇していた時には、個人の金融資産の膨張に支えられて、個人消費が拡大し、経済は未曾有の繁栄を享受した。ところが、株価が低下すると、個人の金融資産の縮小が個人消費の減少をもたらし、景気はスパイラルな下降過程に入るはずだ。アメリカ経済はそういう段階に入った。これから、不況色が強くなるに違いない。
そうなった時、ITブームを総括すると、つぎのようになるだろう。まず IT産業に膨大な資金と頭脳が集中した結果、アメリカでは圧倒的に強力なIT産業が生まれ、またどの産業もITで武装された。つぎにIT企業を起こした人は巨額な富を得た。
これに対してIT産業の株式をブームの頃買った人達は、株価暴落によって、大きな損失を被った。またIT産業の中には、技術競争に負けて倒産した企業があり、さらに、10年間の好況の間に、賃金水準が上昇したので、一般産業では、輸入品との競争に破れ、工場を閉鎖した企業が少なくなかった。こうした結果、職を失った人達はスーパーのレジなどで低賃金で働いている。
市場経済の原則は自己責任だ。株価の暴落によって大きな損失を被った人達は投資の判断を間違ったからだ。IT産業で倒産した人は、技術開発力に優れた人材を集められなかったからだ。一般産業で失業した人は、新しい技術を身につけて、成長産業に転職しなかったからだ。それぞれ本人が責任を負うべき問題だ。政府は彼らを救う必要はない。
これに対してIT産業の株式をブームの頃買った人達は、株価暴落によって、大きな損失を被った。またIT産業の中には、技術競争に負けて倒産した企業があり、さらに、10年間の好況の間に、賃金水準が上昇したので、一般産業では、輸入品との競争に破れ、工場を閉鎖した企業が少なくなかった。こうした結果、職を失った人達はスーパーのレジなどで低賃金で働いている。
市場経済の原則は自己責任だ。株価の暴落によって大きな損失を被った人達は投資の判断を間違ったからだ。IT産業で倒産した人は、技術開発力に優れた人材を集められなかったからだ。一般産業で失業した人は、新しい技術を身につけて、成長産業に転職しなかったからだ。それぞれ本人が責任を負うべき問題だ。政府は彼らを救う必要はない。
効率妨げる日本式”温情”
これに対して、日本には昔から暖かい気持ちが溢れていた。株価の暴落によって多くの個人が被害を受けたときには、世の中はこぞって政府を激しく非難する。政府は倒産と失業者が増えないように、色々な対策を採っている。建設業は大産業であり、雇用者が多いから、倒産を防ぐために、無駄な公共投資を続けている。大企業が倒産すると下請け企業の連鎖的倒産を誘発する。それを防ぐために、銀行が救済融資を続け、政府は巨額な公的資金を投入して銀行をバックアップしている。こうした結果、消えるべき産業や企業が存続し、日本経済の効率が悪くなり、長期にわたる経済の低迷に苦しんである。
ここから脱却するには、アメリカ式の市場経済と自己責任のシステムに変わるべきだ。その方が確かに経済はダイナミックに動くが、その背景には、日本人がなかなか馴染めない思想がある。例えば、教育についてみると、アメリカの常識では、頭脳が優れている子供は特別な教育を受けて才能をもっと伸ばすべきであり、頭脳に恵まれない子供は遅れた教育を受けて将来の単純な仕事に備えるべきである。それが真の平等であり、神から与えられた資質を十分に生かすことが自己責任だという。将来発生する所得格差は、自己責任の結果だと考えるのである。
日本人の考え方は人間にはもともと能力に差がない。もしそれが生まれたとすれば、教育か社会が悪いはずだ。失業するのは政府の政策や経営者の経営が悪かったからであり、本人は不幸な犠牲者だ。私たちには自己責任の観念が希薄であり、自己責任を基本とする社会は寒々としているように思われる。しかし世界は自己責任主義のアメリカにリードされているので、21世紀には私たちには相当な決意が必要である。