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4月15日
衰退する日本の製造業
勢いを増す韓国・中国企業
世界の高級なIT製品には、主として韓国と台湾製の部品が使われている。例えば、アップルのiPadでは、フラッシュ・メモリーとDRAMがサムソン、液晶ディスプレイがLD(韓国)、パッチパネルが勝華科技(台湾)の製品であり、日本製品は電池ぐらいだ。
サムソンの時価総額は、日本最大の電機企業であるパナソニックの3倍に達し、利益額は日本の大手電機企業の利益総額より大きい。最近、超薄型のLED(発光ダイオード)搭載の液晶テレビを開発し、アメリカで人気を集めている。過去10年間で、IT産業における日韓の地位は、完全に逆転した。
環境関連の先端産業でも、日本企業は弱くなった。原子力発電プラントでは、アブダビにおける大規模な入札競争で、韓国の企業連合に破れた。
太陽電池では、韓国企業だけではなく、中国企業も急成長している。日本製品は高性能であるから、地価が高い日本のビルや住宅に適している。しかし、不毛の大平原に発電パネルを敷き詰める時には、低価格が重要な要素になり、日本製品は競争力を失う。
太陽電池は量産段階に入っており、アメリカの装置企業から設備を一式購入すれば、どの企業でもすぐ生産できる。太陽電池の競争力は資金量に依存するようになった。中国の内陸部には不毛の大平原があり、国営企業やその子会社は巨額な資金を集めることができる。中国が太陽電池王国になりつつあり、すでに、生産量でドイツと世界1を争い、日本にも輸出している。
電気自動車は家電製品の一種であって、中国では、発明家がいろいろな電気自動車を創っている。深圳の大手自動車メーカー・BYDは、フル充電すると、400キロも走行する電気自動車を400万円を割る価格で販売し、世界の注目を浴びた。BYDはもともと電池メーカーであり、ダイムラーベンツは、BYDの電池技術の注目して技術提携を結んだ。日本企業にとって強敵である。
10年ぐらい前には、私たちは中国経済が発展すれば、生産に必要な素材、機械設備、部品を日本から大量に輸入すると期待していた。ところが、実際は、必要な素材や設備の多くが中国で生産され、品質が急速に向上した。
中国では生産できない高級な機械・素材・部品が少なくないが、それらは、日本より、韓国や台湾から多く輸入されている。また中国の製造業が進歩するとともに、中国から日本への輸出が激増した。日本経済は東アジアの成長から取り残されている。
サービス業育成に力を
日本の企業は、過去20年近くの間、国内市場が低迷し、低収益に苦しんだ。その上、意志決定する時、社内のコンセンサスを重くみるから、慎重な経営姿勢が続き、国内では新鋭設備の導入より、人件費カットが優先され、また工場を中国等の高成長地域に移転した。
韓国や中国の企業はトップダウンによって短期間で大胆な意気決定を下し、日本の企業が先行していた新分野に対して、需要が国際的に膨張するタイミングを狙って、驚くようなスケールの設備投資を実施するのだ。
海外投資についても韓国企業は10年以上も前から中国、インド、ブラジルといった新興国に大型投資を実施し、実力を貯めて、アメリカに進出した。中国の企業は、世界的なスケールで企業合併を進め、またアフリカの貧しい國で、通信設備投資や資源投資を実施している。両国の企業ともリスクを恐れない。
日本はもはや製造業大国とは云えない。今後はサービス産業を育成して、製造業の衰退をカバーすべきだろう。そのためには、まず医療・介護、大学といった大型サービス業の大改革が必要であり、日本の病院や大学が外国人で溢れるようにしたいものだ。