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10月10日
留学生増やし日本語教育を
アジアの生産技術発展
アジア諸国では生産技術が目覚ましく発展し、高級部品の生産や高級製品の組み立てが可能になった。日本企業は国内の系列企業からの購入を圧縮し、東南アジアに工場移転したメーカーや現地のメーカーからの購入に依存するようになった。
中国の沿岸地方では、賃金の上昇とともに、自動機械やロボットが広く使われている。日本の企業は、過去10年以上にわたって設備投資を抑えたので、中国の新鋭工場の方が自動化しているケースもある。自動化とともに製品の品質が向上し、中国、台湾、韓国、タイは東南アジアにおける部品や製品の供給基地になった。
グローバル化した日本企業は、生産や販売の拠点だけではなく、企画や研究開発部門も海外に移転したので、日本の工場や研究所は企業の世界戦略における1つの拠点に過ぎなくなった。それとともに、世界における日本経済の地位はかなり低下した。生産性ランキングはかつて世界一だったが、現在は20位以下に低迷し、エネルギー効率は1位から3位に下がり、貿易収支の恒常的な赤字国に変わった。「ものづくり日本」は昔の話になった。
静岡県における製造業出荷額は2007年から30%近く低下した。しかし、大企業・中堅企業の売上高や利益は、順調に拡大している。それは海外生産を増やした成果であり、この傾向は止まらないだろう。
日本経済の発展には、まず産業構造の変化が必要であり、それは、強い規制によって成長力を押さえられ続けた医療、農業、福祉・介護、教育などの産業を伸ばすことであり、安倍内閣は、それを決意している。
次に必要なのは、日本企業がアジア市場で中国、韓国、台湾、ドイツとの競争に勝ち、内部蓄積を増やすことであるが、アジアの日系企業では、現地社員とのコミュニケーションの不足という問題がある。
現地社員との会話重要
日系企業の品質を高め、稼働率を向上させるためには、現地社員に対する一対一の技術指導が必要だ。まず設備機械の操作技能を鍛え、次に、機械設備が稼働する原理を教える。原理を知らなければ、故障した時、適切な対応ができない。現地社員が、工場の稼働に参加できると、自然と改良意欲が生まれ、それを賃金に反映させると、生産性が向上するものだ。アジアにおける競争力のポイントは、現地社員との会話能力である。
最近、英語教育が盛んになった。学者、経営者、商社マン、高級官僚など、特殊な職業の人には英語が不可欠であり、外資は英語が通ずる国に進出するだろう。
しかし、日本の製造業がアジア市場の競争に勝つためには、日本語を自由に話し、かつ日本の労使慣行を熟知した現地社員と、現地語を話せる日本人が必要であって、英語は役立たない。製造業の企業が世界に発展するためには社員の英語能力が必要であるが、アジアから留学生を増やし、たっぷりと日本語教育することの方がもっと重要である。