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7月4日
外資利用し尽くす中国商法
巧妙な経済産業政策
中国の産業政策は巧妙であって、経済の中軸を担っている自動車産業はその好例と言える。中国は、80年代初めに、乗用車産業の育成を開始してからわずか30年で、世界一の生産国に発展した。
中国政府は、まず、フォルクスワーゲン(VW)に中国への進出を依頼し、サンタナが生産されると、輸入車に高率な関税をかけ、海外競争から守り、その代償として、品質が劣っている国産部品を改良し使用することを要求した。10年後には、サンタナが使う部品の国産化率は85%に高まった。
政府はVWがピラミッド状の部品産業群を基盤として、中国市場で独占的地位を固めることを恐れて、90年代に、GM、トヨタ等、世界の巨大な自動車メーカーに対して、中国の国有企業と合弁会社を設立することを許可した。その際、国有企業が50%以上の株式の所有し、経営に影響力を行使できることが条件だった。
ところで、どの巨大メーカーもそれぞれ固有の部品を使用する。そのため外資との合弁会社の数が多くなると、国内の部品生産では間に合わず、政府は部品に関しては外資の完全子会社を認めた。
たちまち、外資系部品メーカーが1700社も設立されて、合弁会社は高品質の部品を調達できるようになり、乗用車の品質が目覚ましく向上し、激しい競争を展開した。乗用車生産は、2000年以降の10年間で20倍になった。
国内の普通の自動車メーカーは開発費を少なくし、安い部品をスポット取引で仕入れ、低価格乗用車を生産して、顧客を中級以下の階層に絞った。これに対して、外資との合弁会社は中・高級車を生産して中産階級を開拓した結果、マーケット・シェアが65%に達した。
中国政府は、多様な外国技術を吸収し、また、国有企業が合弁会社の大株主となり、満足である。外資は中国の乗用車市場が今後も膨張し、当分の間、合弁会社が高収益をあげるから、技術流出にともなうマイナスを十分カバーできると計算している。
ロボット稼働大国に
ところで、中国経済が急成長を続けたので、労働力が不足し、賃金が急スピードで上昇してきた。外資にとって、中国の工場は巨大な消費地に立地しており、捨てがたい魅力があるから、コストアップを抑えるため、ロボットを大規模に導入し、今や中国はロボット稼働大国に変わった。外資はロボット製造分野にも進出している。
空気汚染が深刻である。政府は外資に対しては、中国に総合研究所を設立して、エコ技術を研究開発し、それを合弁会社に移転することを強く要求している。
政府は外資依存の体制を少しも苦にしない。それは中国経済の発展をもたらし、合弁会社の経営をコントロールできるからだ。エリート官僚が土日も出勤して外資を利用し尽くす方法を検討し、同じ時、外資の職員は収益増大のチャンスと手段を研究している。なお、中国市場ではVW、GM、現代の3社が強い。